2024年10月2日

私達が言われ続けた“いつかくる”

いつも弊社のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
株式会社仲田屋根工業　仲田です🙇🙏

今回のタイトルは
【私達が言われ続けた“いつかくる”】
とさせていただきました。

私達が言われ続けた“いつかくる”と聞くともう何の事か分かった方もいるかと思います。

そう、南海トラフ地震についてです。

静岡県島田市で生まれ育った私は子供の頃から
この“いつかくるよ”“もうくるよ”という言葉を聞きながら歳を重ねて来ました。

小学生の頃からかなりの頻度で行われて来た防災訓練（他の県はどうなんでしょう？）
子供ながらに体験した事のない地震は身近な存在でした。

そこから中学を卒業してから屋根工事の道へ進んだ自分が実際に自身で体験した最初の地震は熊本地震でした。 2016年4月14日21:26頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震が発生しました。
その時私は、親方の元で修行中の身でしたが、協力店さんを通じて熊本復興の仕事に行かせていただく事になりました。（素晴らしい経験をさせていただきありがとうございました）

いつも地元で仕事をさせていただいていた私は、
恥ずかしながら【初めて県外で仕事が出来る！】と少し浮かれ気分でした。今考えると、実際に地震を体験した事が無いからあのような気持ちだったのかと反省しております。

私達が工事を担当させていただいたエリアは熊本県益城町という、被害が1番大きな町でした。
到着してから毎日すこしずつですが
一棟一棟完了していく事にとてもやりがいを感じました。屋根工事中も地震は続き安全を最優先に復興作業を進めておりました。
益城町の方達はとても暖かく私達を迎え入れてくれ、屋根工事が完了していく様子をとても喜んでくれました。（お昼ご飯や夕飯までご用意して下さった事も😭ありがとうございました😭）

そして週末、工事もひと段落した時に
『今週も頑張ったで飲みにでもいくかや！』
瓦屋の先輩や親方が飲みに連れて行ってくれました。

そこで私は地震に対する甘すぎた考えが一変する経験をする事になりました。

疲れていた私達は、あれよあれよとお酒を飲み2軒、3軒とお店をハシゴしていました。

そこで地元のスナックにいくと横に着いてくれた女の子が私と同い年でした。
同い年だった事もあり会話は弾み
お酒も進んでいた私は地震の時の事を聞いてしまったんです。怖かったでしょーって

するとその女の子が少し間をあけて
『私の目の前でお父さん潰されちゃったんだよね』
と言いました。

その時の衝撃は今でもはっきり思い出します。
地震からまだ1ヶ月ほどしか経っていなかったと思います。

浅はかでした。浅はかという言葉を使う事も失礼な程に。

地震や、自然災害が起きた時、そこに住む人達はあたかも何も起きてないかのように生活をしていきます。絶対に辛いのに、悲しいのに。
自身が育った家が壊れながら、そこからまた毎日のように通勤していくのです。

それは令和3年5月1日に起きた牧之原市の竜巻の時も同じでした。家が倒れ、瓦は飛び、車はペシャンコ、それなのにみんなが『うちは最後でいいから被害が酷いところを優先してあげて！』と
誰も下を向く事なく、むしろ元気をもらったのはこちらの方でした。

私達が住む静岡県島田市では
電話帳に登録されている屋根工事業者が11社あります。ですが、瓦という昔ながらの業界、職人の平均年齢は60〜70といったところでしょうか…

そして社員として職人を雇用し教育している会社は弊社のみかと思われます。
この現状でその“いつか”の時に今の状態で果たして街の屋根を守り切る事が出来るのだろうかと考えると現実的にかなり難しいと思います。

南海トラフ地震が発生した時には多くの方が屋根のトラブルを抱え、業者は足りず、その悩みにつけ込んで全国から詐欺業者が乱立する未来が見えてきます。